夏が来れば思い出す その五
『北門鎮護の岩木山神社、少しだけお水を頂戴しまして…、
岩木山の頂きへと延びる参道の石畳を、楼門、中門、そして拝殿へと一直線に歩んでおります。
身体を潜り抜けるように流れ下るお山の気が、とても涼やかです。
しかし、自称巡礼慣れした小生にとりましては、この参道、「不思議と言えば大変不思議」な思いを抱いたのでございます。
でもまあ、そんな訝しさはとことん野暮ってなもの、ほっちゃッときましょう…、今から岩木山大神への御挨拶なのであります。』
読者の皆さま、そんな前フリはさらに「どうでも宜しく」、
何とかかんとかすったもんだ、岩木山神社前に無事「ワープとうちゃこ」したのでありました。
弘前駅方面へと向かう三柱の家族神とはここでお別れです。必ずやまた、ご縁がございますことでしょう。「酷暑徘徊回避のご託宣」に対しまして、心の中でお礼を申し上げた次第です。
さて現在は午後1時…、お天道様は変わらずギンギンギラギラの絶好調、まさに酷暑でザンショ(残暑)であります。
まずはともかく、一之鳥居手前のコーヒーショップにて冷やしコーヒーを所望、たもとのパラソルの陰で水分補給をさせて頂きました。
参道を進みますと、楼門手前には、以前に当ブログでご紹介させて頂いた、あの「どうされました?」の狛犬さんが…(阿吽の呼吸 結び その一 参照)。
「頭上向き阿さん」が金運アップ、「頭下向き吽さん」が恋愛運アップ、のご利益があると言われております。
ただ、金運に関しましては前回ブログの「神と仏と…」で申し上げた通り、生まれ持った星屑のもとでございまして…(尽く残念)、
一方、かと言って…、恋愛運吽さんの頭を人前で撫でるのも、65歳を過ぎた心臓外科医にはとてもとても…(多少残念)。
さてさて、拝殿でのご祈祷です。須らく滞り無くおごそかに執り行われまして、小児心臓外科医に格別に相応しい大変有り難い祝詞を頂いたのでございます。
さすがに空気が凛と音を立てて清冽に変わります。神前に額づき、「日本の平和、子どもたちの平和、そして今までの感謝」を祈る小生、何故かとっても優しい気に包まれたのでありました。この安堵感ともいうべき感覚、不思議なことでございましたが、能登の気多大社でのご祈祷の際と全く同じ匂いがしたのです。
さてこれでようやく、遺憾なき飽きやすさ魂を存分に発揮しつつ、そして多くの神々さまに助けられながら、今世紀最大のミッション「御恩返しとご縁返しのご祈祷」は、宮司さんの満面の笑みのもと、無事お開きと相なったのでありました。
お待たせいたしました。一の鳥居を出る手前、その右方にある蕎麦屋にて少し遅めの昼食です。カレーライスがとても美味いとのこと…。
でも何故か、多くのお客さんはカレーではなく、もちろん蕎麦でもなく、名物の煮干しラーメンを食べています。そういえば先ほど、参道の左方にも中華そばの幟があったような無かったような…。
『なんで青森、どうした青森、そこんトコよろしく青森』、ソウで残暑の酷暑ではございましたが、心臓外科医の直感において煮干しラーメン(+カレー)を即注文、謹んで皆さんとシンクロさせて頂きました。もちろん、獄温泉とは少し色あいの異なるあの冷たい生麦ジュースのセットです…。
そして、ひたすらに汗をかきながら、本日のお宿へと向かったのでありました。おっきなお風呂が待ってます。
続きます。
改めてご説明する必要は無いのかもしれませんが、この旅ブログは、皆さまのご自由なご想像とご妄想にお任せし、重ねた文字だけで旅気分を夢想するという、徘徊旅行者限定ご利益特典付きの特殊なシステムプランとなっているのでございます。従いまして、津軽の地を闊歩する縄文人の如く、無手勝流な自由旅の物語を妄想爆発し、読者の皆さまの心の旅としてどうぞ楽しんで頂ければと思います。もしかしたら、明日にむけた健全な社会作りをお約束できるのかもしれません。でも確かにやはり、蕎麦屋のラーメン&カレーは非Z時代外科医の鉄板セットメニューですね。新宿での研修医時代を思い出してしまいました(外科医の浪花節 その五 参照)。
さて皆さま、次回の、岩木山登拝の折には必ずや、旅ブログに相応しい選りすぐりの写真を時の過ぎゆくままに撮影させて頂きます。がしかし、小児心臓外科医の食レポの出来に関しての確実な保障はでき兼ねます故、どうか悪しからず…。