Doctor Blog

コラム

阿吽の呼吸 結び その一

一昨日の真夜中のことでありました。ラインに残された小電文に気付いたのです。
「すべて解決した、連絡乞う」、何じゃこれ?妙ちくりんな絵文字も満載…、これってもしかして奴か?

プロフィール画像を拡大するとザッツライト、あの最長老なのでした。その出で立ちたるや、“ジーン・シモンズ”どあっぷのTシャツにボーダー&チェックのバミューダ、真っ赤なビーサンに足ミサンガ、西部警察の大門風グラサンを胸元に掛けての精一杯なカメラ目線、見ようによっては慇懃丁寧な精神年齢に写りますが如何せん、相も変わらない出身地不詳のコンセプトなのであります(写真右下隅には、“常磐のハワイにてハッチャけ”と書いてあります)。
それにしもまあ、しばらく大人しくしていると思ってたら全く…、ところで何時スマホに変えたんだ?もちろんライン友だちになった記憶は無いし、しかもあの日以来パラレル通信は拒否してるし…、一体誰なんだ、小生のライン情報教えたのは?
しかしまあそんなんことはどうでもいいや、もう午前1時30分、明日にでもまた連絡が来るだろう。気づかなかったことにし~よお、おやすみなさい、と思ったら直ぐにラインの着信音が♫♬…、

『ユキちゃん、こんばんみ~、スマホデビューした俺だよ俺、…って分かってるだろう、アンタの心の友、オレだよ。
いやあ前回ブログの“ラインの思い出”は良かったよな。間に合えば俺の勇姿も載っけて貰いたかったってもんだが、何しろ一昨々日ようやっとラインの写真添付を覚えたもんでな。でもまあ昔から主役っていうのはトリを務めると決まってるんだ、また今度ヨロピコ頼むぜ。
それで何だって~、今度は“阿吽の呼吸”ってかい、中々いいところに目をつけやがるって静岡のピアノ弾きも言ってたらしいが、どうせまた記憶の話がごてごてと続くだけなんだろう?恐らくだぜ~、杉ちゃんっぽくワイルドに心配すればだな、読者の皆さん方はかなり飽きまくってるんじゃないのかい…、ほらほらやっぱそうだろう?そう思って助け舟ラインを打ったって訳さ。これこそ文字通りのホンマモンの阿吽の呼吸って言うんじゃねえのか、ほんと世話が焼けるねー、まだまだ青いねー、君はってか。
ところでそうそうそうだった、そうだ噛んだのキシリトール、それでな、阿吽の呼吸ってえヤツを“ヤホー”、じゃねえや、“ヤフー”で検索したんだがな、オイラはもうブツブツとキレちまったたね、ゴジラの背中が尻尾から頭へと順番に光るが如く、心の底から炎が燃え上がっちまったんだ。全くもってプンプンさ、さてなんて書いてあったと思う?
「阿吽の呼吸は、絶対に一人ではできません」だってさ、これけっこう笑っちまうだろ、しかし問題はここからなんだ、「機械にはぜったいにできないこと」だとさ、なんとまあ◯ピーマンモス、呆れちまったよ。
でもまあそこまではまだいいやな、問題はその理由付けなんだ。

「阿吽の呼吸は、2人以上の人間が何かをする時の様子なので、一人ではとうぜん無理」なんだとさ、このネットの野郎は、かのイケメン小児心臓外科医が醸すあの人気ブログさえも読んでねえのかな。全く困ったもんだぜ。手術ってえものは、最終的には外科医が織りなす右手と左手の阿吽の呼吸で成り立つってことをさー、まあ理解できねえんだろうな…。(本ブログ“私の彼は左利き”参照)

加えてもう一つの理由だがな、なんとなんと「機械には気持ちというものが無いから阿吽の呼吸はとても無理」とぬかしやがってるのさ、こんなもん飛雄馬の父ちゃんが聞いたら必殺のちゃぶ台返しだぜ、思わず責任者出てこいって叫んじまったよ。かの高名センチメンタル外科医が書くあの高級ブログさえも読んでねえのかと、全く情けなくなっちまったな。(本ブログ“手術雑感2 COVID-19 その2”参照)
しかしまあ、何でミンナこう、昭和感を捨てたがるかねー?これが今流行の悪名高い、“アンタガタドコサのあっち向いてホイ”という理論なんだろうか?

“阿吽の呼吸”ってえものはさ、空気を読めねえ大人が“空気を読む”とか、“目は口ほどに”なんて偉そうに宣うこととは次元が違うんだよ。
例えばだな、野球でもバスケットボールでも何でもいいんだが、スポーツ選手がやらかす阿吽の呼吸プレイには何だか神憑り的なものを感じるだろう?だからこそ子どもたちが憧れるんだ。そうよそうよ、それと同じよ、阿吽とは神秘的なものと考えた方がスッキリするんだ。
だからな、もっと分かりやすく、小児心臓外科医的に言えばだな、「明治神宮の森が持つ森林の度合いというものは100年経ってようやく深まる。手術チームの手術度もそれと同じように深まっていく。阿吽に伴って出現する、仕事が段々と難しくなるという感触は、より高い阿吽の誕生を意味する」、ってなとこかな。それがホンマモンの阿吽ってなもんだろうよ。
要は真っ当なものはまっとうに生き残るってえことなんだ。それを人間社会では、「恋もできねえ外科医に手術なんてできねえぞ」っていうんじゃねえのか?何っ、違うってか、こりゃまた失礼しましたとさ。

まあ細けえことはどうでもいいや、確かに俺たち機械はさ、“気持ちが無い”と思われてもしょうがねえや、でもな、今まで多くの外科医と、「つうと言えば、かあ」っていうように、目も口も使わねえ以心伝心をやってきたつもりなんだ。これがネット野郎には分かんねえんだろうな、まだまだ機械的にしかものを考えきれねえ機械なんだな、その内にガード下にでも呼び出さねばなるまいて……、…、』

ラインはここで途切れておりました。今、午前1時50分です。

続きます。

三毛野命の道です。
三毛野命の道です。

※ 陸奥巡礼中、思わず「どうされました?」とお聞きしてしまいました。