ラインの思い出 お手紙
10月17日日曜日、外は冷たい雨が降っております。そろそろようやっと暦と心に合う時節となりました。
“ラインの思い出”、今更ながらに賛否両論の嵐でございます。否の方々には大変申し訳ないのですが、作者のわがまま全開で、賛の方から頂いたお手紙をご紹介いたします。おせっかいな本棚への“ラインの思い出写真集”公開から3日後に届いたものです(匿名でございました)。
『…ラインの思い出、大変興味深く拝見させていただきました。
まずは何と申しましても写真の数の多さ、そして完成度の高さに驚きました。極彩色の映像が心を打ち抜きます。ブリリアント&ゴージャスな何かを感じてしまいます。忙しい日々の中、どこにそんな時間があったのかと、羨ましさ半分、やっかみ半分、敬意の念さえ浮かんで参りました。
肝心の中身に関しましても、写真に様々な加工が施され、また配置にも作者のこだわりを感じ、思い出のアルバムという域を超えた、“芸術作品!”との印象を受けております。
一見怖そうなイメージがある心臓外科医たちの、シュールな笑いを追求する姿勢、それと同時に周囲を巻き込んで皆が至極楽しそうに働いている現場…、あたかも顰蹙という言葉がこの世から消滅したような感動すら覚えてしまいます。もちろん一方で、この写真はどうやって撮影したのか、こんなことをやって何の意味があるのか、そもそもこの写真はどこが面白いのか、という思いもあり、一瞬ですが、遠い記憶への浮遊の中で色々な事を考えてしまいました。
がしかし少なくとも、
楽しくユーモアのある職場での、高橋先生を中心とした仲の良い小児心臓血管外科チームの真夜中の勇姿がキラキラと散りばめられていることは間違いありません。この人たちは、どこまで困難な仕事を愉しくしてしまうのでしょうか?このような日常的な思考錯誤の中で新たなアイデアを生み出すことや、同僚との親密なコミュニケーション、そして何より他人を愉しませようという”おもてなしの心”というものが、日本一の心臓病センターを支える土台となっていたのではないかと、そんな風にも思ってしまいます。
一見価値の無いものにも夢中になれ、一緒に世界を変えていこうかという決意、チームで働くことの意義とはまさにそのようなものであるべきなのでしょう。厳しい中にも常に愉しみを見出し、皆で協力し合って高め合えるきっかけとなり得る…、「愉しい歴史を撮る」というこの独特な文化が世代を超えて続くのならば、榊原記念病院のチームワークはさらに深まっていくのではないかと確信した次第です。
…略…
話が大きくなり、長々と書いてしまいましたが、一言で言わせていただければ「ただ単にかなり真面目に面白かった」という感じでございましょうか。有難うございました。次回作に期待しております。
心臓病の子どもたちの幸せを祈る一医療従事者より』
身内からのほめ言葉、ただただ自己満足の極みではございますが、この手紙を公開すること、平にご容赦をお願い申し上げます。なお、”おせっかいな本棚”の一般公開はもう少し世の中が落ち着いてからになりそうです。
さて、次回からは、「阿吽の呼吸」と題しまして、さらに懲りない”読解難解問題長文”が続きます。
ただお断りしておきますが、第3回までは妄想爆爆のパラレル会話となっておりますので、すっ飛ばしてお読みいただければと思います。そして第4話から感涙を伴う顰蹙漫才へとつながって参ります。お愉しみいただければ幸いです。
※あの約5分半の送別の儀で頂いた高級似顔絵です(当ブログ“送別の儀”参照 https://dr-takahashi.jp/710)。