おせっかいな本棚 最終稿
《 結局は… 》
さてさて、今回の「無駄話」、長らくお付き合い下さいまして誠に有難うございました。
先人の心持ちを前もって知ること、そしてそこからスタートラインを先に伸ばすこと、時間が有りげで無さげな若手にはとっては大事なことです。
このおせっかい本棚を利用することで、看護師や技士も含めて、今までは100人中37~43人しか経験できなかった環境(知で遊ぶ場所)が、少なくとも100人中87人位までは経験できるように変容していくこと、心から望んで(予知夢)おります。
そうなれば多分、緩徐にではありますが、榊原記念病院は居心地良いと思えるようになりますし、厳しい行儀作法や様々な掟のもとにあっても、清く正しい修行道をたどれるものと推察いたします。
ある学問では、
「恒」…絶えず変わっていくもの、その中に変わらないものを持っている、
「臨」…高いところから下をみる、また、下から上を仰ぎ見る、後進を導く、とあります。
このおっせっかい本棚には、なるべく早々に“恒臨”の効果を期待したいと恩着せがましく願うのですが、
それがどうもどうも朱(酒)に交わればなんとやら、まだまだほんの序の口“未済”のようです。今しばらく時間がかかりそうです。
外科医の言葉はことごとくアナログではあります。また、おせっかい本棚のある場所は、榊原記念病院の中で随一の辺境地にあります。たどり着くまで相当の試練があるかもしれません。
しかし、小児心臓外科医として演じる最後の夢芝居、その正当性を少しでも感じていただければ幸甚です。形見となれや筆の跡です。
最後に、またまたですが、おせっかいな本棚の道しるべ、箇条書きに(思いつくままに)示してみます。
- 牡丹餅がいつも落ちてくるような棚、
- チンプンカンプンが、なんでんかんでんどげんかせんといかんとの思いに変わる棚、
- 親心とはいつの時代にも鬱陶しいものと他生感じる棚、
- それでも、やまびこのように返ってきて初めてその心が理解できる棚、
- 皮肉で言っているのか、それとも知ってて言っているのか分からない棚、
- ちょっと目には真実とは分からなかったものが真実と解る棚、
- 2番目に話すべきことをつい1番目に話してしまう棚、
- そんなことが直接関係あるのだろうかと訝しむ棚、
- 結局は、ふとした思いつきの棚、
- 日光の化け地蔵さんのように、帰り道に何か得したと思わせる棚、
- 悪い事をすると針地獄だよと思わせる棚、
- 最終的には場を盛り上げて恩を着せる棚、
- 極秘情報を漏洩する棚、
- 納得できないことを、偶然と決めつけても良い棚、
- 精一杯の低価格で提供する棚、
- やろうと思えば必ずできる棚、
- 飽きやすい堪え性の無い外科医でも、堪え性が板に付く棚、
- その内に、石に介すということが理解できる棚、
- 納得できるところは取り敢えず納得できる棚、
- ことごとく当たりであると思える棚、
- 関係ないことも関係あるごとく、不思議に思える棚、
- 上司に少しだけ恩のお返しをしようかなと思わせる棚、
- 小心者に強い手術をさせる棚、
- 棚の制作者を鬼かわいいと思える棚、
- お神酒を備えそうになる棚、
- 妄想にすぐ溶け込める棚、
- しかし、その後直ぐに感想戦となり、知識刷新できる棚、
- 好きな言葉はさすらいと真剣にいえる棚、
- 手術的に早めに大人になれる棚。
……最後まで有り難うございました。こんな風でいつもすみません。
「それでは読者の皆さん、またお会いしましょう」と言うつもりでしたが…、失念しておりました。
榊原記念病院クラウドファンディングへのご協力、誠に有り難うございました。お陰様で、小児病棟を中心とした改造計画、着々と進んでおります。
先日、「心臓病を持つお子さんの医と食育」の放送の中で、“音の必要性”について個人的な思いをお話しさせて頂きました。賛否両論かずかずございましたが、その後なんと、約70%の反対意見を見事にひっくり返しまして、ついについに自動演奏ピアノの購入が決定いたしました。ここまでの道のり、かなりの喧々囂々、侃々諤々でありました。
このアイデア、考えようによっては、“必須の無駄、非必須の無駄”であります。
しかしながら、「子どもは日本の宝」、私ども小児心臓医療チームは、あくまでもお節介なことをおせっかいらしくして、大きなお世話をもっと大きくして、さらに、当たり前のことをもっと当たり前として、
子どもたちの将来にあらゆる可能性を信じてあげなければなりません。
少しだけ先出しじゃんけんして優しく負けてあげる気持ちといいますか、早めに大人になって欲しいという少し上から目線の気持ちといいますか、驚かせずに何らかの驚きを与える気持ちといいますか、
子ども達のために多くの「必須の無駄」を作ってあげること、
このことだけは、われわれ榊原記念病院・小児心臓チームの“必須”です。
さて、最後まで読んで頂いて誠に有難うございました。
盛りに盛った、割りに割った妄想話、行数を稼ぐという姑息な手段は決して取らないと思いつつも、結局こんな風になりました。それは単に才能のなせる技でもなく、今はただただ反省しております。
さてもさても、来週から始まるお話し、筆者のしつこい性格を晒すがごとく更に長文となります。スマホではとても判読不能なしろもの、できますれば大きな画面でお楽しみください。
それでは、皆さん、また…。