放映雑感 その一
前回ブログの“薔薇の花束”を未だ引きずっておりまして、またまた思い出してしまいました。
若かりし頃には、ちょっと離れてはたから薄目で見ると、“ある意味、海と夕日が思いのほか似合う外科医”と、呼ばれていたこともありました。
写真は近年のものですが、未だにその片鱗を醸し出しています。(…と、もっぱらの評判です)
そういえば、某大阪では、青い薔薇を求めて、あのオイちゃんと走り回ったこともありました。一体何をしようとしていたのか、残念ながら思い出せません。
さて…、芸能人気分で晴れて迎えたBSプレミアムのスタジオ収録日、朝9時に予約した理髪店で顔を当たってもらいました。熱~い蒸しタオルから始まる、パック&マッサージ付きのコースです。40年前の結婚式以来のことでしたが、こそばゆいシャボン、なかなか癖になりそうな感覚です。そこの親父さんから、「芸能関係のお仕事ですか?」と聞かれ、パックされたまま微妙に頷く自分に罪悪感と恥じらいを感じてしまいました。
収録場所へは、タクシーを手配して頂きました。
行きは、土地勘の少ない運転手さんだったものですから、神田川辺りを右往左往、お陰様で、東京に来て初めて、昼間の神田川をじっくりと堪能したのです。(運転手さんは恐縮しておりましたので、さすがに“あの歌”はご遠慮しました…)
帰りは、夕刻となりました。予定では穴八幡宮の参拝を考えておりましたが、この時期ですので、参道鳥居手前にて、タクシーの中からご挨拶だけさせて頂いております。
そして、七三分けのご主人様の帰宅は、相当にシュールだったようで、爆笑のもと、我が愛犬は実に怪訝な顔をしておりました。
さてさて、読者の皆さま、放映内容に関して、忌憚なきご意見をたくさん頂戴致しました。有難うございました。(一部を無視させて頂きますと、お褒めの内容ばかりでしたので、少し安心しております)
頂いたお手紙の一文です。
「…略…。普段より饒舌に(想像ですが…)話される先生は極めて新鮮で、徐々によい方向にマスコミ慣れしてきているな?と、心から感服した次第です。“低侵襲手術書”と“仕事の流儀”に書かれた高橋節を超えた内容だったと思います。…略…。そして、あの難手術を耐えて成長されたお嬢さん、最高に素晴らしく感動しました。あの利発さと、撮影スタッフやテレビカメラに物怖じしない堂々とした態度、少なくとも彼女の心臓を治した外科医よりも“強心臓”だと確信いたしました。…略…。」
いやはや本当に彼女は、素直に成長していると思います。ご両親やご親戚のお力の賜物でしょう。
あの素直さの中に、主治医が持つ“いたいけな性格”をほんの少しだけ垣間見た気も致しましたが、即座に却下されました。でも、少なくとも、主治医のあの飽きやすい性格だけは伝染しなかったようで、これはこれでひとまず安心です。
スタジオ収録は、クレーンをふくめた4台の撮影カメラ、また、大勢の撮影スタッフの方々、さらに、小生には事前の打ち合わせが無く、七三分け後すぐに撮影が始まったものですから、確かにビビりの心臓バクバクだったことは間違いありません。
小心者の小児心臓外科医、なるほどなるほど…、ご指摘のように、まだまだ、修行が足りません。
続きます。