Doctor Blog

コラム

俵尊 最終稿

神さまを思う時、いつも不思議に思うことは、“いつまでそこにおられるのか”ということです。
中には、2000年以上も同じ場所に居らっしゃる神さまもいます。任期満了はどうやら無さそうです。
仏教でいう輪廻とか、あるいは、引っ越しや職場替え、また、免許更新や資格取りをして出世されることはないのでしょうか。(以前、神さまとはどういう存在なのかというご質問に対して、「輪廻することを許されないある使命を持った魂であり、それはそれはとても大変な職業である」と発言し、多くの顰蹙を買ったことがありました…)
もちろん、恐らくですが、飽きてしまって他の土地へ旅をすることや、人間社会に交じってお神酒を飲んでいることがたまにはあるのでしょう。
余談です。ある東北の神さまは、大国主命の娘神が好きなようで、神在月の出雲へ出張すると、故郷の神無月が過ぎても、年が明けても帰ってこないことがあるそうです。神さまも完璧な存在ではないようでして、妙な人間味があります。まあ、もともと人間ですから、しょうがないことですけれども…。

でも神さまはやはり大変な職業と考えます。従って、こちらからはあまり変な頼みごとや喧嘩を売ることは、少しだけ控えねばなりません。でも、それでも頼んで売ってしまいます。申し訳ございません。
「お前な~、また来たんか?」と思われていることでしょう。
しかし、神さまのご意思がどうであれ、我々小児心臓外科医にできること、それは、神さまのご意思に逆らっても、“手術力を磨くこと”、“チームの総合力を向上させること”、そして、“頼み事と喧嘩は売らせて頂きますが、なるべくその回数を少なくすること”と考えます。
「戯け!お前がもっと頑張ればそれで済むんだ!」、「お前の気持ちは分かる、だから、その内にお前の願いはかなえてやろう、まあ適当に気長に頑張ってくれ!」、神さまの声が聞こえてきそうです。
人間が神さまに頼むことは、もともとは人間が自ら作った矛盾であることが殆どですから、そんなものに神さまは、あえて口出しをしないのでしょう。
これは小生の反省ですが、最近、“頼む、頼む”と、誰に向かって何を願っているのかも定かではない、でも、何かしら祈っているということが増えました。
「願い事しても、お前はすぐに忘れているではないか!」と、またまた叱られそうです。

※俵尊の大祭の時、お集まり頂いた皆さまの前でご挨拶をさせて頂きました。
また、筆頭で“餅まき”もさせて頂きました。そして、お神酒(お寺だから般若湯?)を多少ですが頂きました。
この写真、俵尊のお堂での一枚です。一応のお許しは得ているものの、かなり罰当たりな行為と、今は心から反省しております。俵尊さま、ごめんなさい。