インカの野積み崩し②「対義語 最終稿その二」
「密」という対義語、続きです。
このCOVID-19の時代、
会議会議…、カンファレンスカンファレンス…という不必要な密現場の必要性、見直しが必要です。
臨床の現場で、若手の教育と称して、人を集めて講義をするような上司の勘違いほど甚だ迷惑なものはありません。
こういう時代だからこそ、いわゆる“阿吽の呼吸的サイレントな蜜人間関係”を構築すべきです。
特に手術室では、
“アレ準備して、ソレやって、そしてコウしましょう”、このように20秒くらいで手術前のカンファレンスを終わらせるように、
また、有線放送の音楽のみが静かに流れているような静寂な手術室となるように、
上司と呼ばれる管理者は、外科的ソーシャルディスタンスとも言える「時間短縮」を考えなければなりません。
この時代だからこそ、そういった教育ができる、かつ、ナシが通じる上司が大事なのです。
もし何らかの密な伝達が必要と感じれば、上司は自分の足で動けばいいのです。
宇宙服的手術ガウンを導入するなどと、場当たり的発想だけは、決してしてはいけません。
(最近、このような「場当たり系の場あちゃるリアリティ人間」が増加している印象があります)
しかし、このような密現場において、かつ会話ができない状態では、若手は手術中に注意を受けたり、指導を受けることが少なくなります。
オンザジョブトレーニングが少なくなるということです。その内、注意叱咤される意味も分からなくなるのではないかと心配です。
(もちろんこの時期、若手が上司から大事なことを学ぶアフター5の飲みニュケーションの場も皆無となりました…)
ですから、若手は、少なくとも頭で考えられることは自分で勉強して、手術室が寡黙になることを常に考えて、注意されないという覚悟を持って、手術に入ることを心掛けなければなりません。
自分が「時間的ソーシャルディスタンス」を作るんだという覚悟です。
(その覚悟が無いと、手術室は叱咤と注意で騒々しくなります。)
(もちろん、COVID-19にかかわらず、時間短縮は子どもたちの低侵襲性につながることです。)
そして、宅飲みの際には、医学書に限らず、しっかりと本を読みましょう。読んだ本はブックオフに売ってください。それは、いずれ後進の役に立ちます。
でも、拙著、“榊原記念病院低侵襲手術書”だけは絶対に売らないでください……。
いずれ、飯炊きの火種くらいには活用できます。
(発売してすぐに、アマゾンの中古本に拙著がありました。とっても悲しかったです…)
さらに、続きます。
病院開設当時の中庭です。ポプラの皆さんがたも元気でした。