「白い鳥」
先日、はずせない法事がありまして地方都市へ出かけました。
Go to Travelの真っ只中ではありますが、新幹線はそれほど混んでおりません。
これも仏さまのお導きでしょう。見事なまでのソーシャルディスタンスです。
当然、法要後の宴席はご遠慮しなければなりません。
従って、“ホテルで故人を偲ぼう”と地元の作り酒屋まで散策を兼ねて出掛けました。
街の中心を流れる河川端に建つお寺、ふと本堂の屋根を見ますと、一羽の“白い鳥”が毛づくろいしております。
白鷺です。素早く写真を撮りました。
そこから、本堂の正面に回って酒屋へ向かいます。
そうしましたら、なんと何とな~んと!、
大棟(おおむね)に整然と並ぶ8羽の鷺!!?超ビックリです…!
夕焼けの中、絵で描いたような、CG化したような光景です。
しかも、実に見事なまでの「鷺のソーシャルディスタンス」です。
ところで、写真中央の一羽だけ青鷺、他は白鷺です。
アオサギはサギ科のアオサギ属ですが、シラサギとは全身が白い鷺の総称であって、種類名ではないことを初めて知りました。恐らく、白い鷺はダイサギという種類だと思います。
アオサギ君は(多分男の子だと思います)、何故シラサギ君たちの中に一人でいるのでしょう?
さて、“白鳥”という言葉、当然思い浮かべるのは、我が母校延岡高校の第一期生、大先輩である、若山牧水です。
「白鳥の句」をつい口ずさんでしまいます。“海の青”ですので、白鳥はカモメもしくはハクチョウという説もありますが、やはりこの句は“シラサギさん”だろうと、つい妄想してしまいました。
牧水の末々席の後輩である小生が白鳥を思い出したら、当然、次に思い出す句があります。「白玉の句」です。
縦社会で生きてきた外科医にとって、ここまで思い出させてくれた鷺達の慈悲を無視するわけにはいきません。
“つまみのあるところで偲ぼう! ”、これはまさしく天からの啓示、必然的行動です。もちろん鷺の皆さんのようにソーシャルディスタンスを心掛けて!
酒屋出向即中止、すぐに街中へ引き返して、お神酒を(般若湯)少しだけ頂きました。 明日は“白山さん”ご挨拶の予定です。
それにしても、尊敬する故人、なかなか粋な演出をしてくれたものです。 “なんでやろ8番”、そんな気分です。
翌早朝、アオサギ君は、一人でいました。シラサギ君たちと何かあったのでしょうか?
寂しそうだったので、声を掛けてあげました。