Doctor Blog

コラム

500例の小児心臓手術 その6〜じゃあ、どうする?〜

現在の決まり事では、役員などのお偉方はいくら働いても働き方改革にはひっかからないようです(自分で決めたことは、“決め事”と言います。“決まり事”は他人からの強制のようで居心地が悪くありません? すみません最初からこんな風で…)。もちろん残業代はありません。お偉方はいくら働いても叱られません。しかし、この苦境の時代、ロートルの出番かもしれません。でも、あまり五月蠅く出張ると、“ウゼェー”と言われてしまいそうです。

 

いつだったか、これもあるランチョンセミナーでのことです。 “小児心臓外科医は今や絶滅危惧種である”とつい口走ってしまい、これも相当なひんしゅくを買ったことがあります。(でもその後、小児循環器学会のホームページに同様の記載があったのにはビックリしました。ひんしゅくをことごとく買うのが小児心臓外科医の習性でもありますので、高橋の”ひんしゅくの歴史”についてはこのブログの中でおいおい紹介しようと思っています)

 

小児心臓外科の存続のためには、少々年食った外科医が野暮なことを言ってもいいのではないでしょうか? 良いですよね… 、うん、では言います。

一手術室で500例、そこには少しだけ、別の哲学が必要かもしれません(哲学というよりは年寄りのたわごとかもしれませんが…)。 今300例手術を行っていると仮定します。前述したように、マンパワー的にも経営的にもキツキツの状況とさらに仮定します。そして、全くの援助および支援も無いと仮定しましょう。さらにさらに、そこで働いている皆さんには“何とかして頑張る”という気持ちがまだまだみなぎっていると仮定しましょう(あ~疲れた…)。別の哲学とは、それは時間短縮です(なんじゃ、そんなもんかいとがっかりした読者の方もたくさんいらっしゃるでしょう…、すみません、“単に時間を短くするだけのコーンフレークかい”と突っ込んでもらって結構です…)。英語でいえば、Time Savingです(これでも、秋季外国語試験の合格者です)。年寄りが考える新しいことは多分に迷惑です。しかし、年寄りの経験は少しだけでも聞いた方が良いかもしれません。

 

次回は、”時間という教育の巻”です。