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コラム

500例の小児心臓手術 その3〜府中に移って〜

さて府中です。2003年暮れに、新榊原記念病院としてオープンしました。新病院は一つ一つがやたら広くてでかい(最初の印象です)。ただ、やっていることは同じですので、以前から住んでいるという感覚ですが、新宿時代(正確には代々木です)と最も異なる点は、周りにはコンビニが一軒のみ、夜間は、甲州街道の車光以外ただただ静かな暗闇です。当時、小生は調布の住人でしたので、朝は飛田給まで座っての通勤が可能となりました。また、病院の周辺にはネオンもありません。したがって、新宿のような“お誘い”というものはなく、帰宅時間は大幅に短縮されております。府中に来て、一か月もしない間に歩行者と自転車をよけながら歩くという東京人独自の芸当が出来なくなりました。

 

手術室は4室です。小児班は主に一号室を使用します。最初の手術は引っ越し直後の緊急ジャテン手術でした。手術室もかなり広い(旧病院37.8㎡、新病院99.4㎡)。壁までの距離が遠く、真ん中に寄り固まって寂しく手術しているという感じがあり、また、大きな声での意思疎通が必要となった印象がありました。贅沢な悩みです。また、建屋自体も各フロアが幅広ですので、人口密度は相当に緩和されています。小生と違い、とにかく無意味に手術が好きな高梨秀一郎先生が成人班に来てからは、4室フル稼働状態となりました。

 

循環器専門病院として、また、地域支援病院として、急患を断らないという榊原イズムを守っていこうと誓いを新たにした記憶があります(当時は小生もまだ結構篤かったのです)。