63歳還暦オーバー医師 学位取得に挑戦する➉〜燦然と輝く“学位記” そして ”飽きやすさ症候群”の再発〜
学位取得という壮大な計画のもと、適当にサボり、そして酒を飲みながら奮闘してまいりました。
晴れて令和2年3月11日に授与が決定されました。小生にとりましては初めての医学的資格ともいえるものです。しかし、COVID-19の影響で学位授与式は中止です。壇上で表彰を受けるのは、小学校の頃の宮崎県書道展で特選を貰った時以来となる予定だったので、誠に残念でなりません(羽織&袴の準備を考えていました)。
さて3月19日にレターパックで学位記が送られてきました。学位取得を実感した瞬間ではありましたが、既に心は“あるもの”に向けて動いていましたので、さほどの感激はありません。ここでも小児心臓外科医としての“飽きやすさ”、“いい加減さ“ という悪しき性癖を垣間見た気がします。しかし、これは決して悪いことではありません。何かへの動機がその度ごとに発生してきたからこそ今まで外科医を長く続けることができたのだと自負しています。動機が無くなればそれは引退を意味します。今回のRoss手術に関する論文を完成させる過程で、さらに続けられる自信らしき新たな”動機“が発生しました。少しホンワカとした気分です。その動機についてはおいおいお話させて頂ければと思います。
そういえば、同封してあった杏林大学医学研究科 研究科長のお言葉は、「学位取得は皆さんの研究活動のゴールではありません、スタートラインです。今後の研究活動や指導に生かして下さい。」
まさしくそんな気持ちです。とりあえず杏林大学校歌を3番まで暗記し、アカペラで歌えるように頑張ろうと思いました。
それから、これは当然かつ残念なことですが、”インカの野積み” を何とかしなければなりません。2003年暮れに新宿から引っ越してきて以来の云われのある野積みです。うちの家内からは “どうせ病院の机も大変な事になっているのでしょうね” と、この三十年ほどの間、言い続けられた伝統の野積みです。
しかし、しかしですよ、このインカの野積みがあったからこそ、探索の上に探索を重ねることができ、今では伝説となりつつある拙著、”榊原記念病院 低侵襲手術書” が完成した訳です。そしてもちろん今回の学位論文もそうであります。定年までに、一つ一つゆっくりと石組みをはずしていこうと思います(文献と本の雪崩をおこさないように…)。また、
この最終稿では、”インカの野積み” の写真も掲載しようと張り切って撮影したのですが、それだけはやめてくれとの意見が多く、残念ですが泣く泣く断念しました。
長くお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。この “63歳還暦オーバー医師 学位取得に挑戦するの巻” は、一週ごとに当ブログに掲載させていただいておりましたが、これまた約数名のフォロワーの皆さまから、”最終稿まで一気に読みたい”、”出し惜しみするなよ”また、”他のテーマについても早く書いてください”とのご希望がありました。お答えして、今回は続けて掲載させて頂きます。有難うございました。
読者の皆さま、お身体にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。小生もやるべき仕事をしっかりとやっていこうと思います。
学位挑戦を決めた時は、「なーおまえ、学位取得ちゅうのはそんなに甘いもんやおまへんのや、もっとまじめにやれ~」、と神さまの声が聞こえてきました。それが今は、「なーおまえ、学位取ったからちゅうて、そんなん大したことあらへんねん、もっと気張れや~」
神さまは相変わらず厳しいです。少しだけですが、神さまに喧嘩売ったのがまずかったのかもしれません。その内に少し高級なお供えを持ってご挨拶に伺います。拍手! (本当はこの漢字だけで “はくしゅ”、もしくは、”かしわで” と読みます。最後までしつこくてすみません。)