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コラム

63歳還暦オーバー医師 学位取得に挑戦する⑥~ Thesisの作成~

“お前はバカか?”
どうぞどうぞご遠慮なく “出川風” におっしゃって下さい。なんと ”Thesis”の意味もわからずThesis作成を始めていました。Thesisとは、外国語試験で使用した辞書によれば、”学位論文”とのことです(念のためGoogle翻訳も試しましたが、やはり ”学位論文” でした)。ただ、主論文を中心に内容を大きく作り変えなければThesisとは言えないのです。”Neues” をたくさん盛り込んで命題を大きく展開させねばならないのです。誠に恥ずかしながら、それがThesisとは知りませんでした(実は主論文だけ提出すれば済むと考えていました)。

 

さて、Thesis作成に取り掛かります。かなり気持ちが高揚しています。もちろん今回は安易な選択は避けねばなりません。データ集めの時点から完璧さと誠実さが求められます。しかし、こういう時に限って執筆の時間がなかなか取れない…、さてさてここでもまたまた、外科医の ”飽きやすさ” という悪魔が微笑を投げかけてくれました。
………考えあぐねたあげく、「やっぱ、ネタ探しのためにインカの野積みを再探索しよう!」 まあ懲りない性格だと思いますが、それでも今回はなんとなんと、またまた天の啓示ともいえるアイデアが降臨しました。それは昨年出版した小生の教科書、”榊原記念病院 低侵襲手術書” の内容を主論文に組み込むことです。”Ross手術と低侵襲”、なんていい響きでしょう。早速執筆開始です。しかし、今のうちに申しておきますが、この思い付きがあとあと困った結果につながります。考えてみれば単なる組み合わせ、単なる積み木的合体であり、”飽きやすさ” からの産物であったと今はただただ静かに反省しています。

 

それでも拙著の低侵襲に関する内容は今までどこにも報告されていません。 ”Neues” ”Thesis” にはまさにふさわしいものであり、短期間での書き上げが可能でした(実を言いますと内容と図のほとんどは拙著からのパクリです、自分のものでもパクリはパクリというらしいです)。題名は、”新生児期・乳児期のRoss手術 -術後状態の改善に必要な課題は?” 。光輝く自信作が完成し、早速送付しました。

 

次回は、”緊張の第一回目審査結果の巻” です。

 

加部東先生です。