Doctor Blog

コラム

大人の嗜み Act 4

読者の皆さま、“暦の上でのディセンバー”は残すところ一週間を切りました。東京に参りまして早くも40+1回目のクリスマスが過ぎ、+2回目のクリスマスを有する新年を迎えるのでございます。
当ブログは、この一年を振り返りまして、大人っぽく、『大人の嗜み』について考えてまいりました。
小生にとりましては、本年も精一杯に大人だったと思うのですが、はてさて、その精一杯とはどこまでいけば“真っ当な精一杯”と言えるのでありましょう?そんなことを少しだけチートに考えてしまう年の暮れなのであります。

さて、先週の拙ブログでございますが…、徒弟だの、躾だのと書かせて頂きました。
時代遅れだの、何を今更だの、良くも悪くも期待を裏切らない筆者は江戸の生まれか等々、多くのご意見を頂いております。有難うございました。
そんな現在の小生、昔の“段階世代”の日々を思い起こしますと、
悪いことばかりを反省していた自分が、段階を踏むごとに、少しずつ良いところを自覚するようになる…、もちろん、一つの問題の解決には丸々一年ほどの手間暇がかかるのですが、それでも半年分くらいは大人になっていく…、そんな自分を垣間見ることができるのであります。
しかしながら一方で、やり慣れた手術に対して、今まで何も経験していないがごとく振る舞えるようになりますと…、つまりこのこと、良い意味で思い込みや入れ込みが無くなるということなのですが、こういった手術ではもはや、大人になっていく自分を思い出すことができません。手術の表情だけが大きな眺めとして思い浮かぶだけ…、誠に不思議なことであります。
そして、これまた大変不思議なことですが、手術室の小窓から、心配そうに覗く小児科医に対して、親指を立てOKサインを送る小生、そんな光景が未だにちょくちょくと夢に出てくるのであります。
それは果たしてトラウマなのか、それとも、衝撃を受けるほどの幸せな記憶だったのか、残念ながら、今ではもう計り知れません…。
しかし、何やかんや思い出しましてもその当時の小生は…、
“キャベツばかりを齧っていた”訳でもないですし、決して、“どうにかなるさ”と諦めていた訳でもありません。ただただ、親方と皆に後押しされて、それぞれの段階をそれほど深く考えずに漂っていただけ…、今思えば偽りなく、その後の外科医人生より幸せな時代だったと思うのです。

本日は師走の26日、音楽番組が目白押しの本年最終週であります。
“NiziU”だけには少しだけ身体が反応しそうになり、そして“大人ブルー”では首が勝手に動いてしまう小生がそこにいます。そして傍らには、口端を上げて小生を見上げる愛犬がまたそこに…。
早く一人前にならねばと思っていた40+1年前の“いたいけ“な小生は今や…、ここ数年、シブいとか、苦み走るとか、いぶし銀のダンディズムとか、そんな大人になっているのでございます。しかし来年はとっても良い意味で、子供っぽく、チャラく、甘く、奥行き無く、そんな緩めのキャラで自由度を増やしながら、『大人を嗜もう』と考えております。
自分を変えるだけでなく、周りもまた同時進行形で変えることができればと思うのであります。

そんな神田で読者の皆さま、本年も当ブログにお付き合い下さいまして、誠に有難うございました。良いお年をお迎えくださいませ。

この『大人の嗜み』、取り敢えず来年第一回目まで続きます。