Doctor Blog

コラム

大人の嗜み Act 1

本年も押し詰まってまいりました。読者の皆さま、つつがなくお過ごしのことと存じます。
何処ぞで申したかもしれませんが、夏の太陽が最も良く似合うと言われた小生…、
しかしここ数年来の酷暑の影響でしょうか、「どうやら夏は嫌いだったんだ」と思うようになりまして、「冬こそが小生にとっての唯一華やかなる表舞台」、そう確信するに至った次第であります。
衣が徐々に厚くなるにつけ、庭を駆けずり回りたくなる高揚感を抑えきれない、そんな“年の暮れ”なのでございます。

さて、内密な話で恐縮ですが、最近ふと気づいたことがございます。そうそれは、先日の熱燗徳利の宵のことでありました…。
何となんと、インド映画「RRR」を観ても、踊らない自分がそこにいたのであります。そして、そんなお誘いに乗らない小生を心配そうに見つめる我が愛犬もまたそこに…。
その時でしたね、閃きともいえる思いが脳内を駆け巡ったのは…、新たな自分に気づいてしまったのであります。
「俺って、大人になったなあ」って…。

もちろん、そんな“成育感“は還暦以前にも何度かありましたよ。例えば、太田胃散を、撒き散らさず、咳き込まず、飲めるようになった時なんぞね。でも今の今まで、この“踊らない自分“ほど、感極まる格別な思いは無かったのであります。

さてもさても、インド映画に太田胃散をまぶした、この“大人ブルー”なお話、何かが始まりそうな気配であります。しかしどう考えても、“一端の大人“がせわしない師走に語るべきものではないのでございまして、
そこで今回は、このアダルト感と言いますか、いや含羞感と言いますか、『大人の嗜み』に関する小噺を一席…。
もちろん真面目なお話でございます。決して弾けることはありませんので、どうぞご安心下さい。
新年に向けて、ごゆるりとお付き合い下されば幸甚です。

続きます。