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コラム

手術室 その一 ⽼頭児

読者の皆さま、おはようございます。
つい先日のことでした。なんと何と、かの伝説の外科医の手術を観る機会に恵まれたのです。
個人情報の観点から御本人の詳細は伏せますが、年齢は自称不詳、でも取り敢えず小生よりも年上のはず、一方、精神年齢は他称40歳に届かず、小生よりも遥かに年下との噂…、なのであります。
もちろん‘’人となり‘’にも触れません。直ぐに誰かバレてしまいますし、多くの誤解を生みますから…。
うーん、そうですね、この病院の手術室を最後に訪れたのは、もうかれこれ15年ほど前になりますでしょうか。
今回は、この『⽼頭児(ロートル)』外科医に関する物語です。

さて早速ですが、今回の手術の第一印象を述べさせて頂きます。
『うーむ、時間と空間の感覚が歪むというか捩れるというか…、
この外科医の⼿術というものは、ひたすらに前へと進んでいくのですが、現在からはるか未来へと一足飛びすることもあれば、逆に突然にもドリフトしながら過去へと急反転することもあり、
結局のところ、心の内はほんの少し前の過去を遡りつつも、現実の視界は直線的に流れていく…、そんな不思議な情景が混沌と煎り混じっているのです。
そしてふと気づきますと、不気味ともいえる静寂になんとなく物⾜りなさを覚えてしまい…、
その一方で、沈黙の間をゆるりと流れる⾳楽に妙な心地良さが漂う…。
そう、それは、意識ある五感というよりは無意識ワクワク感の独り歩き…、時間感覚が完全に麻痺された空間なのであります。
アインシュタイン曰く、「物質の持つエネルギーが⼤きくなるほど時空の曲がりは⼤きい。エネルギーは質量と同じものと考えられるため、そこに存在する物質の質量が⼤きいほど周囲の時空は変化する」、
今の今まで、手術に限らず、この外科医には怪しげな妖術で惑わされてばかりだった気もいたしますが、まあそれでも、この幻惑感だけは未だ健在、ある意味偉⼤といって良いのでしょう。』

そんなかんだで、
あまり、他人の手術を観たことのない小生が言うのも何なんですが、
加えて、運と感性のみで生きてきた小生が言うのも何なんですが、
そして最近、御神酒にて頭痛がするようになった小生が言うのも何なんですが、
贔屓目を差し引いても、差し加えても、「中々なモンだ」と感心した次第であります。

続きます。

小生の町石になった、懐かしいスライド写真を呈示していこうと思います。