Doctor Blog

コラム

京王線の旅 2つの内のその二

手術室に長くおりますと、触覚・視覚・聴覚だけでなく、鼻が利くという「危険察知」の嗅覚、そして、「こいつ味が出てきたな」という渋すぎる味覚までもが、偶さか蘇ってまいります。そして徐々にですが、これらは前者3つより鋭敏になっていくのです。
それをあくまでも外科医らしく申せば、「今の仕事のためのストレス発散法を見つけるのではなく、今の仕事の中にストレス発散法を見つけるようなもの」、手術室の進化とはそんな感覚が鋭敏になることでもありましょうか。

さて、今回の「電車乗り過ごし」京王線の旅、
今まで時間を変幻自在に操ってきたと自負する某小児心臓外科医には…「ンな経験」、滅多なことでは無かったのであります…。
しかしながら、「これこそが完璧なるブログネタだ」と、慶びつつ、
でも、関西人には「つまらんボケやんけ」と、ツッコまれるだろう…とも思いつつ、
やんわりと傷ついた小生はそっと一人、多少の羞恥心と戦いながら調布駅に戻ってきたのでありました。

でもまあ、「こんな時間の使い方もようやっと許されるようになったのか」。
そういった感慨は、これもまたお導きなのか、それとも、デリカシーとリテラシーの為せる技なのか…、う~む…。
決してそれを成長だとは申しません。でも、何だかホッとした自分がそこにいたのも事実であったのです。
「無駄っちゃあ無駄な時間の流れ」に、ちょいとだけ楽しさと侘しさを感じた次第でございました。

さてさて、そんな心持ち…、今思えばマッコと意味不明なものではあります。
そうそれは、齢を重ねた「いぶし銀」の魅力…、いやいやそれは違います。
むしろ、背中の何かをおろした故の軽さなのかもしれません…。
今まで皆さんの何かをずっと拾ってきた小生が、今度は皆さんに何かを拾って頂くようになった、そう考えてしまいたい気持ちになるのでありました。

ただただ今は、誰かと待ち合わせをしていたのに、その誰かとたまたま初めて出会ったような雰囲気が漂っています…。
恐らくは、調布の神さまも楽しんでくれたのでしょうね。「何かにつけ、もっと絆れてもいいんじゃないか」、何だかそんな気がしたのでございます。
まあそんなカンダのすったもんだで、調布駅から美容室までの鬼太郎ロードを歩いた小生、その耳元で…、
「おかえり」っていう誰かの囁き声が聞こえたのでありました。
本日のカット、後ろ髪を短く刈り込みすぎました。…スースーします。

お断り…これでお開きの予定でしたが、その三に続きます。

題 「スースース」